『乳撫=ちちぶ』の誘惑⑤ 2012年12月05日掲載

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 12月3日午前9時50分、横瀬を過ぎて、終点の西武秩父駅に特急電車が滑り込む直前、雲に覆われた武甲山を、車窓から捉える。雪は大丈夫らしい。

駅前はまだ大混雑、というほどでもなかった。この時にはさほど気に留めなかったが、「秩父夜祭観覧席 余席あります 6000円」というインフォメーションは重要だった。これを買っておけば、夜祭のエネルギーに直面することができたのに。来年は、ゲットしたい。

10:15 秩父神社まで番場通りを歩きながら抜ける。まだ人通りは閑散。

すでに「例大祭」の式典ははじまっていた。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 境内では宮地屋台の張り出し舞台で歌舞伎芝居が上演されていた。こうした移動式舞台は秩父地方独特のもので、この後、街中に曳き回されてから、回り舞台も張り出され、街そのものが野外劇場化していくという。これはたのしみだ。

ついでに素敵なカップルを発見。ぜひ、と声をかけて、1ショットを。

境内では神楽殿で「大蛇退治」の神楽もはじまり、歌舞伎役者たちは行列をつくって、これからメイン通りを練り歩くという。

11時00分。宮地屋台が境内から街中へ、と曳き回しを始める。こちらもその後を追って、表通りへ。

番場通りの屋台店 OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

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そして、本町の交差点で笠鉾タイプとして知られる下郷屋台に遭遇、見どころの一つと聞かされていた「ギリ回」しの秘技をじっくり拝見。なにしろ祭りで曳き回される山車(屋台や笠鉾)にはハンドルがあるわけではない。 そのため、街角などの方向転換はできない。が、20トン近い巨体の向きを、ともかく変えなくてはならない。そこで生まれたのが「ギリ回し」とよばれる手法。長さ、4メートルほどのテコ棒2本で左右から、ウマと呼ばれる台を支点として、テコの要領で山車を持ち上げる。それを持ち上げる男たちの熱気あるかけ声。山車が浮き上がっている。それを1点で支えているのが「ギリ棒」と呼ばれる凸型の台で、男たちが総がかりで山車を向けたい方向へ、一気に回すのだ。

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この作業中、屋台ばやしは山車にのったまま、演奏をつづけている。鉦が軽妙に鳴らされ。小太鼓がトトトンと囃したてる。おお、祭りのさなかに、ぼくはいる!

この後、花火の打ち上げがある午後7時まで、歩きに歩きましたぞ。参考までに「秩父夜祭」の案内MAPを。

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