いま、なぜ秩父なのか。
東京都心から西北へ、100キロ足らず。2000㍍級の霊気ただよう山塊に包まれた秩父盆地。歴史を語る墓塔や札所霊場、そして四季を彩る花々も、一日の半分は影のなかにある。
その秩父に入るには、きまって、それぞれの峠を越えなければならない。その峠の脇で踏み跡の消えた古道が誘う。それはかつて、特産の絹や商人たちを送り迎えした交易の道だったのか。それとも三十四札所霊場への巡礼道か。ひっそりと鎮まる野仏や石碑に訊いてようか。峠を駆け下りる。と、そこは紛れもなく霊気の満ち溢れる「パワースポット」が待っていた!
そして、古代からつづく秩父地方に生きてきた人々の営みの歴史と息遣い……。
現地取材、足掛け三年。その全記録をWEB連載で!
折から、西武鉄道が改めて「秩父を《箱根》にする」プロジェクトを立ち上げた。近く(3月16日)地下鉄の東京メトロ副都心線を介して、横浜の「元町・中華街」と西武鉄道がつながる。観光資源の豊富な秩父を、再認識してもらおうとする試みも、あれこれと始まっている。秩父が動き出したのだ。
その秩父に、いま、足を運ぶと、何が待っているのか。それを感じ取っていただける新しいシリーズをはじめよう!