わが闘走 Act.2                                            本文へジャンプ
まだまだ懲りずに日産レーシングスクール通い
「日産レーシングスクール」もこれが3回目の受講。4月25日に豪雨のなか、長谷直美ちゃんとアベック挑戦して以来だから、なんと2カ月半もご無沙汰していたのか。

 梅雨明け宣言の出た7月11日のFISCOは暑かった。 あの分厚いレーシングスーツなど、長時間、着ていられるものじゃない。おまけにヘルメットにグローブ。 学生時代、ぼくは剣道をやっていた。ヘルメットをかぶるとなぜか、そのころを思い出した。
星野一義のTSに同乗
当日のメカは、マス坊にふられて、広告部のハットリ君に変更。いまだに27レビンと別れられない走り屋さんである。
「路面はドライだけど、この暑さでタイヤがどうかな? 局長のウデだと、2分はムリかも」  
 と、イヤな予言をしてくれた。そんなことあるものか。前回は雨だから、予告どおり2分を切れなくとも許されたが、今回はそうもいかぬのよ。 第1に、タイヤを12インチの<SPフォーミュラー>に新しく履きかえたこと。つぎに、人間1人分は重いと指摘された重量を、軽量ガソリンタンクにかえて、20キロ削ったこと。第3に、フニャフニャしていたブッシュ類の交換で、機敏にしたこと。備えは万全というわけだ。

 さて、午前中の走行。軽く2周を終えてピットIN。プラグをレーシング用のに交換してもらう時間を利用して、星野一義選手のTSに同乗した。えびすダートコース、筑波サーキットでも何度か横に乗せてもらっているので、いまさら腰を抜かすこともあるまいと多寡をくくっていた。やはりホンモノはまるで違のだ。
タレントの長谷直美さんはスクール同窓
 横Gをうけながらの冷静かつ的確なシフトワークに加え、第1コーナーに突っこむときのブレーキングの凄さといったらない。5速9000回転の頂点から、ガガッーといっきに右足がスピードを吸いとってしまうのだ。そこから、ヒール&トウで2速まで落としてから、コーナーへ突っこむ。カウンターをあてる。<これだな! これをマスターしなくっちゃ!>日産レーシングスクールの有難さのひとつは、トップレーサーの秘技が盗めることだ。(午後は長谷見昌弘選手のTSに同乗した)

 星野選手の妙技に触れた余韻を逃さないようにと、再びBCGサニーに乗りこんだ。
 エンジンは快調に吹けあがっていた。第1コーナーから苦手の100Rを、いいラインを通り抜けたはずだった。バックミラーに映る後続車はいっこうに大きく迫ってこない。ヘアピンから300Rをクリアして、上り坂の150Rを駆け上がり、いざ、ストレートに挑もうとして、ガックリBCGサニーの腰が砕けた。ガス欠だ。燃料チェックを怠った罰で、タイムアタックは、午後までお預けだ。
 午後から小雨が路面を濡らしはじめた。3周目にピットからサインが出た。4・42秒、まあまあの線か。つぎからは1周するごとに1秒ずつ、タイムがあがっていく。 
FISCOのヘアピンをいく愛しの「ベストカー・サニー」
 これまでは、どこでブレーキングしようか、シフトダウンしようかに気をとられていたが、どうやら、それにも慣れて、シフトアップする地点が一定してきた。6周目からゼッケン33と併走。コーナーで少し置いていかれ、直線で追い抜くという同じパターンが3周つづいた。

 0・63秒のサインを横目でみた。路面はもうすっかりウエット、フロントグラスもワイパーで拭ってやらねばならなくなった。案の定、3・57秒に落ちた。

 今度こそ、と張り切ったところで黄旗が振られた。追い越し禁止だ。もう時間もない。 ついに2分の壁は破れなかったが、タイムは結果にすぎない。それにこだわるより、ひとつひとつのコーナーの攻め方、正しいステアリングの使い方など、課題は山積みされている。それを克服したとき、2分の壁はあっさり突破できるはずだ。

 それが、今回の結論らしい。                                     (ベストカーガイド/81・9月号)

■その号の「今月の音羽1丁目」より。

 いつのまにやら、サーキットの中年渡り鳥。きょうは鈴鹿か、あしたはFISCO――だから土、日もない。8歳になる「愛人」にもすっかり愛想づかしされながら、それでも行く。なぜだろう? 走るのも愉しい。それにもまして、そこに生きる男たちとの対話が貴重だ。

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