デトマソ氏のテコ入れですっかり蘇生したマセラッティ社は、ラインのロボット化も進み、なるほど活気に満ち溢れていた。
この一連の自動車メーカー訪問をサポートしたのは、エキゾーストマフラーのメーカーとして知る人ぞ知るアンサー社である(もちろん阿部商会がその総輸入元)。
このあたりにイタリア自動車工業の奥行きというか、歴史の厚みを感じさせる。
極限まで絞り出したエンジン出力を、さらに数馬力でもパワーアップする最後の切り札として、彼らはアンサーマフラーを重用する。だからアンサー社の工場には、フェラリーをはじめ、世界のあらゆる超高性能車がもちこまれ、より効率を高めるためのテストが繰り返されている。
ちなみにこの秋の東京モーターショーに出品されるのだろう、シャレードのちょいと元気のいい奴もアンサー社に送りこまれていたりして……。
マフラーメーカーがちゃんとした市民権をもって、自動車メーカーのパートナーとして緊密に連携している構図は、どこかの国のそれとは大いに隔たりがありすぎた。
モデナの町でもう一つびっくりさせられたことがある。一般公道をテストコースさながらに大胆に疾走するマセラッティのクァトロ・ポルテやビトゥルボ、そして真っ黒なカウンタック500に何回遭遇したことだろう。
町の人たちはそのコースをそれぞれのメーカーの名前をつけて、たとえばランボルギーニ街道などと呼んでいたが、電装計器類の最終チェックや、ハンドリングテストを公道でやってしまう――なんとも、牧歌的な、スーパーカーブームの震源地ならではの話だと思わないか。
こうやってムードの盛り上がったところで、ぼくらはイベリア航空でミラノから、やっとマドリッドへ。 |
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